心と体の健康バランス
心と体の健康バランス
■完全リモートワーク
4月初頭、COVID-19感染拡大による緊急事態宣言を受けて、勤務先からようやくノートPCが支給された。
これから当分の間リモートワークでお願いします、ということで、電車通勤の必要がなくなった。
それ以来、私はほぼ自宅で過ごしている。
基本的に今の仕事はフルリモートで問題なく回せているし、ミーティングもzoomなりなんなりでやればよい。
外出するのは買い物、食事、飲み、定期の病院通い(基礎疾患持ち)、デートくらいなものだ。
ついでに位置情報ゲームなどもちょっと嗜んだりもする。……多いって?(笑)
ごくたまの繁華街や公共交通では一応マスクはしているし、食事や飲みの前に手の消毒もしている。
不定期に前述のゲーム仲間数人での飲み会やゲイ友とのデートは発生するが、そこまで相手をとっかえひっかえしているわけじゃないし、座席が詰め詰めな店など、いまどき探すほうが難しかったりする。
まあ、感染リスクは許容できる範囲かな、と自分では納得している。
■コロナパニックとエイズパニック
そんな「新しい生活様式」にもようやく馴染んできただろうか。
今はニューコロナパニックを若干冷めた眼で観ている。
思い返せば80年代後半、エイズパニックが起こった状況と今はそっくりだと感じている。
「海の向こうから変な病気がやってきた!」
「夜の街の怪しい奴等がバラ撒いてるぞ!」
「感染者を焙り出して閉じ込めろ!」
そんな偏見に晒されて、多くの犠牲者を出しつつも、当時のレズビアン/ゲイのコミュニティはHIVに感染する確率をできるかぎり下げる、セーファーセックスの発明にたどりついた。
「新しい生活様式」とは、なんとも押し付けめいて聞こえるけれど、相手がCOVID-19になっただけで、同じようなものだろう。
HIVよりは多少感染力が強くて面倒なことは多いが、粛々と淡々と日々を過ごしていくことにするつもりだ。
■生活の場と仕事の場が全く一緒はなかなかにシンド
それにしても、メンタルヘルス的な観点からみても、やはり誰かと対面でコミュニケーションするのは必要だと感じる今日このごろだ。
生活の場と仕事の場が全く一緒、というのはなかなかにシンドいし、メリハリをどこかでつけたくなってくる。
それ以上に、だれが判断しているのか「不要不急」などと上から目線で言われて、会いたい人に会うことができないのは、とても辛い。
だから、私は自分で感染リスクをコントロールすることにする。
パニックに煽られてゼロリスクを求めるあまり、コミュニティからの孤立を招き、アイデンティティーがぐらついてメンタルをやられてしまっては元も子もないではないか。
個々のセクシュアル・ヘルスの向上はLGBTとしてのQOLを高めることにつながり、医療への過剰な負荷を減らすことにちょっとでも貢献するのではないだろうか。
などと殊勝なことをつぶやいて、本稿を締めることにする。
(都市在住 完全リモートワーク50代のゲイ)