コラム(コロナ禍に感じたこと)

コラム(コロナ禍に感じたこと)

新型コロナウイルスの流行により、他者との交流や出会いを避け社会的に孤立するのではなく、新型コロナウイルス感染予防とのバランスとどう向き合うかを考えることは、私たち性的少数者にとっては特に重要なことになります。

このコーナーでは、年代、性別、住んでいる場所、パートナーの有無、世帯の状況(実家、一人暮らしなど、パートナーと同居)など、色々な立場のゲイ・バイセクシャル男性を中心に当事者の方にお聞きした、コロナ禍に「感じたこと」、「考えたこと」、「体験したこと」を、コラム形式で紹介します。

これからの新しい生活様式で戸惑うことが、沢山あるかもしれません。

その時は、ここでご紹介する、自分に近い状況の人、もしくは全く違う状況や考え方の人のコラムを読んでいただき、これからの生活に役立てていただけたら幸いです。

また、新型コロナウイルスに感染し、「感染~病院への受診~宿泊施設(ホテルでの療養)~退院」まで、を実際に体験された方のインタビュー(ゲイ、30代)は、コチラから読むことができます。

 

※このコラムは、2020年7月~10月にかけ、色々な考え方があることを伝える機会として、様々な立場の当事者の方に、その時点で、感じたことや考えたことを、執筆していただきました。

※コラムの内容は、執筆いただいたた方の感じたことや考えたことを掲載しており、NPO法人アカーを代表した見解ではありませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

コラム一覧

目次

「あの日のこと」(都市在住 パートナーと同居50代のゲイ)
「人に会う」って大切なこと(都市在住 実家住まい20代のゲイ)
ただの日常がなんて幸せだったんだろう(都市在住 学生20代のゲイ)
もし医療崩壊していたら(地方都市在住 パートナーと同居50代のゲイ)
インドア派な私から見たコロナ禍(都市在住 一人暮らし20代のゲイ)
コロナと花(地方都市在住 統合失調症40代のバイセクシャル女性)
コロナ禍で手にした一粒の砂金(地方都市在住 パートナーのいる20代のゲイ)
自分を整える時間(地方都市在住 子育て中40代のレズビアン)
心と体の健康バランス(都市在住 完全リモートワーク50代のゲイ)
普通の生活に戻りたい…。(地方都市在住 医療従事者30代のゲイ)
頑張ること、我慢することは強要されることではない(地方都市在住 一人暮らし50代のゲイ)

 

 

「あの日のこと」

「どこ行く?」

私は眉を寄せて尋ねる。

外は初夏の太陽がまぶしい。

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(都市在住 パートナーと同居50代のゲイ)

 

「人に会う」って大切なこと

■実家住まい
私は実家で両親と一緒に暮しています。

■休日の楽しみ
仕事の無い休日には、友人に会うのが何よりの楽しみ。もちろん、同じゲイの友人です。家族や職場の人には話せないようなこと、例えば、好きな男性芸能人の話や恋の相談などが、気兼ねなく話せる場であり、自分には掛け替えのない時間でした。

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(都市在住 実家住まい20代のゲイ)

 

ただの日常がなんて幸せだったんだろう

■自己紹介をしよう
全世界に猛威を振るう新型コロナウイルス。現時点で世界の感染者数が約1730万人に上る。このウイルスは私たちの日常生活を一変させた。4月に非常事態宣言が出され、町から人は消え外出自粛をせざるを得なくなった。そんな中でゲイの僕がどう生活してきたかについて書いていきたい。

まず初めに僕の自己紹介からしよう。僕は現在大学4年生で大学入学を機に東京へ上京してきた。こっちに来て初めて「ゲイ活」をし始めた。やっぱり、田舎とは違って僕と同じような人はたくさんいた。会おうと思えばすぐに会えて自分の心や体をすぐ満たしてくれた。今、その人たちもこのコロナ禍のなかで寂しい思いをしているかもしれない。

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(都市在住 学生20代のゲイ)

 

もし医療崩壊していたら

■いろいろなことから避けることでの平穏
地方都市に暮らすということは、自然が身近にあるなど利点もありますが、LGBTに関する情報があっても高齢化が進んだ地域では人々の興味関心が薄く、相変わらず差別という地雷が至る所に埋まっています。そこで私たちは話し合った結果、地雷を避けながら、二人での生活が日々幸せを感じられるものにしようと決めました。それで例えば近所の自治会活動、お互い親族とも適度に距離を置きながら、二人での生活を楽しんできました。

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(地方都市在住 パートナーと同居50代のゲイ)

 

インドア派な私から見たコロナ禍

■インドア派な私
私は都心で一人暮らしをする20代のゲイです。

新型コロナウイルスにより外出自粛で非日常を感じている人が多い中、元々インドアな私としては大きく生活が変わることなく過ごしています。

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(都市在住 一人暮らし20代のゲイ)

 

コロナと花

ああこんなところにも影響は出ているのか
トイレ清掃の仕事
手洗い洗剤がいちじるしく減っている
こんな田舎の町なのに

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 (地方都市在住 統合失調症40代のバイセクシャル女性)

 

コロナ禍で手にした一粒の砂金

■これまでと違う「日常」
「湯水のように使う」という言葉があります。本来の用法では、豊富にある物を惜し気もなく無駄に使う行為に対して用いられる表現ですが、現在進行形で私たちと密接に関わっているこのコロナ禍において気づいたのは、「私はこれまで湯水のように『日常』を使っていたのだ」ということです。

友人・知人と気軽に会うこと、息抜きとしてお酒を楽しむ場へ行くこと、季節の移ろいを肌で感じること、好きなミュージシャンのライブに行くこと(ちょいダサめのグッズTシャツを着たりなんかして)。ごく当たり前に享受してきたそんな「日常」が、今現在においては、叶えることが難しい状況になってしまいました。マスクの着用、こまめな手洗い、うがい、人との密集を避けるなど、感染予防のための習慣が、今では「日常」の一部に当たり前のように組み込まれています。

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(地方都市在住 パートナーのいる20代のゲイ)

 

自分を整える時間

■子どもと離ればなれ
私は、埼玉県在住のレズビアンマザーで、埼玉といってもちょうど東西南北真ん中くらいの、畑が目についてくるディ―プな地域に住んでいます(笑)今年はコロナで大変な2020年ですが、私個人的にも去年から今年はいろいろなことがありました。末期がんの父の看病のための海外からの移住帰国後、すぐに都内での仕事、子育て、看病の三立で睡眠時間4~5時間程度の日本での忙しい毎日がはじまり、今年はじめの父の他界とその後の手続きとでバタバタでした。また、2月からはコロナで国境が閉じられ、一時的に旅行していた子どもたちと離ればなれになってしまったことなど、かなり不安定な何か月かでした。ちなみに子どもたちは元パートナーでもう一人のお母さんのところで帰国できる日を待機中で、ロックダウン中も現地で楽しくやっているようです(苦笑)

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(地方都市在住 子育て中40代のレズビアン)

 

心と体の健康バランス

■完全リモートワーク
4月初頭、COVID-19感染拡大による緊急事態宣言を受けて、勤務先からようやくノートPCが支給された。
これから当分の間リモートワークでお願いします、ということで、電車通勤の必要がなくなった。
それ以来、私はほぼ自宅で過ごしている。
基本的に今の仕事はフルリモートで問題なく回せているし、ミーティングもzoomなりなんなりでやればよい。
外出するのは買い物、食事、飲み、定期の病院通い(基礎疾患持ち)、デートくらいなものだ。

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(都市在住 完全リモートワーク50代のゲイ)

 

普通の生活に戻りたい…。

■ようやく立て直した矢先に
令和になってから、いろいろな出来事があった。
台風が2回きて、全国が被害にあってしまった。
電気がこない。水も出ない。食料もない…。こんな生活が何日も続き、私が住んでる地域でも被害を受けた。でも、そんなことには負けずに地域を立て直してきた矢先、令和2年4月、『新型コロナウイルス』という、感染が発生しました。

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(地方都市在住 医療従事者30代のゲイ)

 

頑張ること、我慢することは強要されることではない

■制限される日常
新型コロナ感染により、私たちの生活は変わらざるを得なくなり、様々な制限がされていった。それらは今も継続中である。

■もし自分が20代、30代だったら
地方に一人で住んでいる私は、緊急事態宣言が発令された自粛期間中でも、いつも通りの仕事をし、特に会いたい人もいなかったというのも幸いして(苦笑)、平日ではそれほど変化はなかった。それでも、休日は街が静かになり、やりたくてもできないことが増えていく。まあ、悲観してもしょうがない。「ちょっとぐらいの不自由を楽しむ」感じで、さほど落ち込むこともなく、今まで過ごしている。ただ、自粛期間がもっと長くなっていたらどうなっていたか。加えて、もし自分が20代・30代だったら、もし都会に住んでいたら、もっと精神的に不安定だったと想像がつく。意志が弱いとか、ダメな奴だからではなく、環境やタイミングでたまたまそうなってしまうものだと思う。

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(地方都市在住 一人暮らし50代のゲイ)