ただの日常がなんて幸せだったんだろう
ただの日常がなんて幸せだったんだろう
■自己紹介をしよう
全世界に猛威を振るう新型コロナウイルス。現時点で世界の感染者数が約1730万人(2020年8月時点)に上る。このウイルスは私たちの日常生活を一変させた。4月に非常事態宣言が出され、町から人は消え外出自粛をせざるを得なくなった。そんな中でゲイの僕がどう生活してきたかについて書いていきたい。
まず初めに僕の自己紹介からしよう。僕は現在大学4年生で大学入学を機に東京へ上京してきた。こっちに来て初めて「ゲイ活」をし始めた。やっぱり、田舎とは違って僕と同じような人はたくさんいた。会おうと思えばすぐに会えて自分の心や体をすぐ満たしてくれた。今、その人たちもこのコロナ禍のなかで寂しい思いをしているかもしれない。
■人と直接会い会話をすることの楽しさ
僕も非常事態宣言が出され人と会わなくなった。勿論、アルバイトでは人と会う機会があるのだが、客とバイトという関係性だけでそれ以上の関係はない。やっぱり、親しい友人や自分のことを理解してくれる人に会いたいと思っていた。正直、この外出自粛期間中は本当に苦しかった。普段会う人と全く会わなくなった生活。LINEで連絡は取り合っていてもその字面だけではどこか温かみがない。コロナ禍を通して感じたことは人と直接会い会話をすることの楽しさである。ただの日常がなんて幸せだったんだろうか。今は少しずつだけど生活が戻りつつある。その幸せを噛みしめて生きていきたい。
■以前の自分なら新しい生活様式に馴染めなかったかもしれない
しかし、前のような日常に戻ることは不可能だと思う。新しい生活様式が提唱される中で僕たちゲイがどのように生活していけばいいのだろう。正直なところ以前の僕だったら急に生活様式を変えることは難しかったと思う。人とは会いたいし、オンラインで繋がるだけじゃ物足りない。それこそマスクは着けてアルコール消毒などはしていたとは思う。
しかし、外出の自粛をしていたかといえば怪しい。今僕がコロナ禍の状況を乗り切れている要因は、LGBTのボランティアグループに関わっていることとパートナーがいるということが大きい。僕がもし、独りぼっちだったら自暴自棄になっていたと思う。そのことを思うとボランティアグループに関わることができて改めてよかった。しかし、自粛の有無に関して僕はどちらがいいか悪いかについて正解はないと感じる。どうしても、今独りでいることが辛い人はいると思う。その人に対して簡単に自粛しろとは言えない。人それぞれの事情があるし自分の価値観を無理に押し付けてはいけないとこのコロナ禍で思った。まずは自分ができることから感染予防に努めていくことが重要なのではないだろうか。
■寄り添ってくれる人がいることの貴重さ
前述したが、今僕にはパートナーがいる。パートナーの存在が僕にとって非常に助かっている。どんなに寂しい時も自分に寄り添ってくれる。どんなことでも話せるし、どんなことでも乗り越えられる気がする。この苦しい状況の中でも彼の存在がいることで頑張れる気がするのだ。彼が僕を好きでいてくれることに感謝しかない。
■医療従事者の方への感謝
最後にコロナ禍の最前線で働く医療従事者の方々に感謝を申し上げたい。貴方達のお陰で日々生活ができている。医療従事者の努力に報いる為にも不要不急の外出は避けコロナ終息に向け僕自身も努力していきたい。
(都市在住 学生20代のゲイ)